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【1,200km走行】ハンターカブCT125の印象・レビュー・インプレッションについて

 

白馬村から北アルプスの山々を望む

2022年4月30日から5月4日までに、HondaGoにてハンターカブCT125を長期レンタルし、ツーリングを行ってきました。

筆者のバイク歴として、大型バイク数台と軽二輪数台、カブ系は今回が初めてです。つまり、カブ系の特徴である”ロータリーシフト”という操作体系も初体験ということで、総合的にカブ系が長距離ツーリングでどのような印象をもたらすのかご紹介します。


①ロータリーシフトは混乱の元

結論から言えば、危険回避のための加速や減速時のシフトダウンでは、長年染み付いたリターンシフトの癖が顔を出し、ツーリングの終盤までその癖は時々顔を出していました。

平時の走行中では、ほとんど無意識といっていいほどにロータリーシフトには慣れていましたが、咄嗟の場合において誤ってギアを上げてしまったり、シフトダウンをしてしまって強力なエンジンブレーキが掛かって、リアタイヤがスキール音を鳴らしてスリップするなどといったことが起きました。

ハンターカブCT125のアンダーボーンフレーム上(実際は化粧カバーに覆われています)に、ミッションの概要シールが貼られておりますが、これを見ただけでは理解できず、実際に走らせてシフトチェンジを体感した方が完全に理解できます。

ヒスイ海岸。世界的にも珍しく、翡翠(ヒスイ、Jade)が打ち上がることで有名

②ノークラッチは快適。技術は人に奉仕する…をまさに実現

カブ系は前述のロータリーシフトによって、ノークラッチ運転を実現しています。レンタル手続き後の走り出し数メートルで感じたことは、”半クラッチからのクラッチミートが人間のように自然”だということでした。

”これくらいスロットルを回せばクラッチがミートするだろう”という感覚とぴったり符号して、ハンターカブCT125が動き出してくれます。そこに不安感は一切ありません。ロータリーシフトの要領さえ得られれば、テンポよく走らせることができます。

渋滞中の走行であっても、断続クラッチ状態も全自動なのでライダーはアクセルコントロールに集中できます。唐突なクラッチのつながり、切断がないため、そのことに関して神経を尖らすことはありません。まさに本田宗一郎のいうところの

「技術は人に奉仕する」

機構と言えます。これは私にとって驚きに値しました。なにせ、大型バイクでは油圧式とはいえ、渋滞中のクラッチレバー操作は握力トレーニングのような苦行が伴っていたからです。


③豊富なストロークがあるとは思えないサスペンション

ハンターカブCT125はノーマルのカブシリーズと比較して、

✔アップマフラー

✔アンダーガード

✔エンジンガード

などを備えた、悪路に強いカブというポジションですが、サスペンションについては値段なりというか、排気量なりというか、フラットダートな林道を走る分には問題ありませんでした。

しかし、例えば3桁国道や県道に時々存在するアスファルトの陥没穴、荒れたダート路面では、ストロークが不足してライダーに強いショックが入力されます。

具体的に言えば、信州ビーナスラインのカーブ中にある路面の荒れをハイスピードで通過すると、ほとんどの場合にリアサスが派手に跳ね、路面とのコンタクトが失われてスリップします。


④高回転NAエンジンのホンダ、健在

記事のはじめの方でも書いたように、誤ってシフトダウンをしてしまって高回転をぶち回そうが、メーター読みが3桁に到達しようが、ホンダのカブ系エンジンは卒なく動力を出力してくれます。おそらく、動弁機構についてはホンダとして余裕のある設計をさせているのではないでしょうか?


⑤急勾配、高地における動力性能は不足あり

これは排気量の制限を嫌でも痛感させられました。例えば、信州ビーナスラインや麦草峠は標高2,000mあり、これは外界に比べると気圧802hPa、さらに気温は12℃も下がっている状況です。

空気(酸素)が薄く、さらに低気温という状況下で、平地では何ら問題のない坂でも、トップギア4速では苦しい、場合によっては3速ですら苦しいということがありました。もしこれがキャブ車だったらどうなっていたのでしょう…。

また地蔵峠や姥捨山を越えるルートでは急勾配が続き、他車に進路を譲らざるを得ない状況が多くありました。

ハンターカブCT125はPGM-FIということでインジェクション化されていますが、開発コストが豊潤で排気量が大きなBMWモーターサイクルと比べれば、高地センサーなどが省略されている分、走行が苦しいという場面がいくつか見受けられました。

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