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SAE J1772の各ピンの役割とは?…電気自動車・電動バイク基礎知識

 

J1772 200V充電コネクタのピンアサインについて

5 コンタクトピンの概要

L (L1)

ライン (ライン 1)、活線側

N

ニュートラル

PE

アース/グラウンド。

CP

コントロール パイロット (電流制限)。

車両の存在を検出し、最大許容充電電流を伝達し、充電の開始/終了を制御するために、パイロット ピンの EVSE (電気自動車供給装置) によって +/-12V の 1 KHz 方形波が生成されます。

充電ステーションは、波形信号のパルス幅を変化させることで、車両へ利用可能な最大電流を伝達することが可能です。

  • 16% PWMは最大 10 A
  • 25% PWM は最大 16 A
  • 50 % PWM は最大 32 A
  • 90% PWM は急速充電オプション

PP (PD)

近接パイロット (近接検出)。Proximity Pilotまたは、Proximity Detectionとも。

実は、SAE J1772の充電コネクタのリリースボタンには、マイクロスイッチが内蔵されており、このスイッチがPPピンと電気的回路を形成しています。

例えば、J1772コネクタを車両のコネクタへ挿入すると、コネクタに内蔵されているマイクロスイッチがONし、充電ステーションとの間でPP-PEの閉回路が形成されます。正確には、コネクタのマイクロスイッチがON(つまり充電中)には150Ω+330Ω=480Ωの抵抗値となるように、抵抗が接続されており、

充電を終わらせようとして、コネクタのリリースボタンを押すと、マイクロスイッチが開放され、330Ωの抵抗回路が短絡され、残りの150Ωのみが有効となるため、充電ステーション側は、この抵抗値の変化を見て「コネクタの状態」を監視しています。

なぜ、このような回路を形成してまで、コネクタの状態を監視しているのかと言うと、理由は2つ考えられます。

まずひとつは、利用者の感電防止。安全上の理由です。

コネクタの状態を監視しておかなければ、ユーザーが充電中にコネクタを外そうとして、何らかの理由でユーザーの手を介して地絡し、感電事故が起こるおそれがあります。

コネクタの状態を監視することで、外そうとするアクションをスイッチで検出し、その瞬間に電源の供給を停止すれば、ユーザーは感電の心配がなく、安心してコネクタを抜き差しできます。

次に、アークの防止です。これは車両、充電ステーション双方の寿命に関わります。

コネクタを取り付け・外そうとした時点で、高電圧の200VがすでにL1、L2ピンにかかっていたらどうなるでしょう?回路が形成された瞬間に電気火花が発生します。これは回路に突入電流を引き起こさせ、半導体デバイスなどを破壊するおそれがあります。

また、充電コネクタはそのいずれも、導電性を良くするために常温状態で良好な導通性能を有する”銀:Ag”が、ピンにコーティングされています(芯線は銅線でピン部分が銀コーティング。これは銀単体で芯線、ピンを作るとコストが高く付くため)。

この銀コーティングは素晴らしい導電性を有しますが、銀自体は柔らかく、火花によって削れたり、凹んだりします。このような状況は、ピンの寿命を低下させ、ピンが痩せたり、被膜が形成されてしまうことによって導電性も低下してしまいます。

そのため、コネクタの取り付け・取り外し時に電気火花が発生しないよう、リリースボタンの状態を監視し、電源供給のタイミングを調整しているのです。

ただし、家庭向けのような多くの低電力アダプターケーブルは、PPピンでのロック状態検出は、おそらくコストの問題から行っていません。

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