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電動バイクのバッテリーはどの程度の急速充電が可能なのか?



現在、多くの人が入手可能な市販の電動バイクは、AC100Vでの充電に対応しているが、これはあくまで「普通充電」。ちょっと良いモノで「中速充電」である。

普通充電のACアダプタにはOUTPUT: 84V5Aと表記されている。そして、私がAliexpressで購入した中速充電対応のACアダプタを見てみると、84V10Aと書かれていたりする。いずれのACアダプタに対応したオートバイは72Vバッテリを搭載したものだ。

ちょっとここで話が逸れるが、バッテリ出力は72Vなのに、なぜ充電するためには84Vの電圧をかけなければならないのか?答えはシンプルで、より高い電圧をバッテリにかけてあげないと、バッテリの中にあるリチウムイオンが移動してくれないからである。

分かりやすい例で言えば、風船を膨らませる(=充電)するのに、風船にすでに入っている空気圧(=電圧)よりも高い空気圧(=電圧)を入れてあげないと膨らんでくれないのに似ている。

さて、本題に戻ると、私の軽二輪電動オートバイは72V 50Ahのバッテリを搭載していて、よりメーカーチックに言うなら、「3.6kWh」(72V✕50Ah=3600Wh)のバッテリ容量がある。このバッテリを普通充電と中速充電では、それぞれどれくらいの時間でフルチャージできるのだろうか。計算してみよう。

ACアダプタに表記されているA(アンペア)は、1時間あたりの合計出力アンペア数のこと。84V5Aなら、84Vの電圧を1時間かけて5Aぶん出力しますよ、という意味。私の電動オートバイは50Ahなので、これを満タンにするためには…

50Ah÷5A=10h

つまり、フルチャージするのに10時間かかる計算となる。さて、今度は10Aもの出力が可能な中速充電器だったら、充電時間はどうなるだろうか?

50Ah÷10A=5h

10Aは5Aの2倍なので、時間的にも半分の5時間でフルチャージできることになる。

つまり、電動バイクにおける充電時間は、ACアダプタの出力アンペア数によって変化してくると言えるのだ。出力アンペア数が大きいほど、充電にかかる時間も短縮できる。

ただし、計算上ではそのようになるのだが、リチウムイオン電池は充電方式としてCVCC充電というものが行われており、上記の計算式通りの時間では充電が完了しない。

CVCC充電について簡単に説明をすると、初期充電から80%くらいまでは高速に充電できるものの、満充電に近い状態はチョロチョロとしか電流を流せないので、充電時間が伸びてしまうのだ。これは、リチウムイオン電池の充電特性によるもので、電圧管理と満充電付近での充電が非常にセンシティブであるゆえなのだ。

仮に、充電終了間際まで84V10Aをかけ続けると、リチウムイオン電池内部でガスが発生し、発熱、破裂、爆発といった事象が起きてしまう。リチウムイオン電池は扱いの難しい二次電池で、電圧管理が±10数mVといった極めて繊細な制御を要求されることからも、その制御の難しさを垣間見ることができる。

どの程度の急速充電が可能?

結論から言えば、リチウムイオン電池それぞれの仕様にもよるが、ほとんどが1C充電以内であればOKである。

この1Cというのは、Cレートというもので、1時間あたりに充電池へ流し込むスピードを意味している。

例えば、今回のバッテリは72V50Ahなので、1C充電をしたいなら、ACアダプタのスペックは84V50Aとなる。この場合、1時間で50Aを出力するので、バッテリの容量と同じであり、フルチャージできるということだ。

多くのリチウムイオン電池では、1C以下で充電されているし、メーカーもそれを推奨している。今回のバッテリに当てはめてみると、72V50Ahの0.5Cなので…50✕0.5=25となり、84V25AのACアダプタで充電をすれば、0.5Cで充電していることになる。

それでは、私の手元にあるACアダプタ、84V5A84V10Aの場合のCレートはどうなるだろうか?計算してみよう。

84V5Aの場合:

5A÷50Ah=0.1C

84V10Aの場合:

10A÷50Ah=0.2C

この計算から分かることは、いずれのACアダプタもリチウムイオン電池の推奨する1C充電以下を満たしているので、安心して充電をすることができるといえる。

ちなみに、リーフやテスラといった電気自動車は400V以上の電圧と大電流で急速充電を行うが、そのCレートは2C〜4Cと言われている。このCレートは凄まじいもので、リチウムイオン電池の研究によって動作原理が分かっていることと、最新のエレクトロニクス技術によるもので実現している。

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