内燃機関の時代は終わらない?──ガソリンのエネルギー密度がすごい
密度とは、「体積当たりの重量」です。(体積当たりの分子の込み具合や、分子自身の重さで密度は変わってきます)
その為、単位はg/㎥やg/Lが一般的に使われています。
(特に「燃費評価」に関して大切な、1Lを感覚的にイメージしやすいのは、単純にお店で売ってる1リッターのペットボトルです。)
1リッターのペットボトルに水を一杯までいれると、丁度1kgになります。(厳密には誤差がありますが)また、1Lは1000㎤なので10㎝×10㎝×10㎝で1Lのサイズとイメージしてもいいかもしれません。(水1gは1㎤なので、水の密度は1g/㎤と覚えておくとイメージしやすいと思います。)
次にエネルギー密度ですが、「エネルギー密度も体積当たりのエネルギー量(Wh)」になります。具体的にはWh/㎥やWh/Lの単位を使う事が多いです。密度は「どれくらい重いか?」が分かり、エネルギー密度は「どれくらいエネルギーがあるか?」が分かります。
ガソリンのエネルギー密度が凄い!
まずはガソリンのエネルギー量ですが、一番分かりやすいのは燃費を元にイメージしてみる事です。
最近の一般的な車は燃費が20km/Lは簡単に越えてくると思います。車自体の重さは約1トン(1000㎏)とすると、ペットボトル1本分のガソリンで20km分移動出来るエネルギーとなります。
ちょっとイメージがつかないかもしれないので、コップ1杯(0.1L=100mL)のガソリンで1トンの物体を2km移動させるエネルギー量をイメージして下さい。(しかも相当のスピードで)これって驚異的ではありませんか?
言い換えると、「50㎏の人力車に50㎏の人を18人載せて、あなたにコップ1杯のエネルギー物質を与えるから、2km先に運んで下さい。」と言われるのと同じエネルギー量になります。
しかし、そもそも自分だけが2km走るのも辛いし、いくら台車で運びやすくなっていても…。無理でしょ…。となりませんか?(もしあなたがマジメに行うなら、人力車に2人載せて9往復して、やっと運んでコップ1杯の量の報酬です。人間が同じ事をすると体力と時間を使ってしまし、日が暮れてしまいますね…)
こんな凄いエネルギー量を出せるなら、実はガソリンは重いんじゃないのか?と思うかもしれません。しかし実際には、ガソリンの密度は約0.717 g/㎤です。重さだけで比較すると、水より軽い!!(同じ液量なら水の約7割の重さ)
エネルギー密度について
では、次にガソリンと電池のエネルギー密度について説明します。これは経産省がHPで公開しているのでご興味があれば一度読んでみて下さい。
ここで注目してもらいたいのが、縦軸の「重量当たりのエネルギー密度」です。
リチウム電池は1㎏当たり、100Wh貯める(充電する)事ができますが、ガソリンはその100倍の10000Whのエネルギーを持っている点です。同じ重量で100倍は凄いですね。ここまで違うと、そりゃー、電気自動車が実用化されるまでに高いハードルがあるのは分かりますよね。
ただし、ガソリンも原油を精製して(原油の使いやすい一部分を分けて)いるので、エネルギーを「一番良い形」で利用している事になります。この精製にはエネルギーを使いますし、ガソリンを使う段階で燃焼させると二酸化炭素の問題も出てきます。勿論、原油は無尽蔵にある訳でもありません。
これからの地球環境を考える為にも、エネルギーを取り出す前のコスト、エネルギーを運用している時のコスト、エネルギーの利用効率、エネルギーを使った後の関係をイメージ出来るのは大切になります。
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