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notte電動スクーターで訪れる…今も残る”谷戸”─野山北・六道山公園

 

宮野入谷戸の手前にある神社とnotte電動バイク

電動バイクで狭山丘陵を訪れる

軽やかなスロットルグリップは電動バイクの特徴で、長時間のライディングでも楽だ。

豊かなモータートルクで軽快に混雑した青梅街道を抜けると、東京都特有の込み入った住宅街に入る。

静かな走行音の電動バイクは、こういった住宅街にマッチする。

狭山丘陵周辺は、中央政権による整然としたまちづくりと、昔ながらの自然を適度に残した風景が共存しており、「緑の島」と呼ばれている。

東京には他に、夢の島という名称が付けられた場所があるが、本当の意味での夢の島は、ここ狭山丘陵ではないのだろうか。あちらの島は、私達が出したゴミを埋め立てたところで、同じ「島」でも由来がまったく異なる。

現代に残る自然というのは、過去からの贈り物ではなく…未来からの借り物であって、私達はその保全に努めなければならない。

道を進めていくと、車一台分通れるくらいの狭さになった。

すでに森が目の前に見えており、ここが谷戸の入り口であることを教えてくれる。

宮ノ入谷戸



谷戸地には「入」(いり)、「谷」(たに、や)という名称がつくことが多い。狭山丘陵周辺にはいくつもの谷戸が存在するが、

  • 浅間谷津
  • 夕日台
  • 滝田谷津
  • 桜沢
  • 宮野入
  • 神明入
  • 猿久保
  • 殿入

…確かにこうしてみると、入や谷という字が入っていることが分かる。他にも、五日市にある谷戸には「横沢入」という名前だったりもする。

谷戸は簡単に言えば、U字型をした低い山に囲まれた場所で、それゆえ水資源が豊富であると言える。谷にはたいてい沢があるように、こうした谷戸にも水が集まり、そこで人々が農耕を行うには適していると考えるのも自然な話で、現実にも谷戸には田んぼが多い。

エンジンバイクとは違って、走行中にエンジン音に晒されていないためか、耳が疲れておらず、森の声がよく聞こえるような気がする。

遠くで虫取りをする子どもたちの声、風にそよぐ草木の音、カエルの鳴き声、田んぼに水が満たされていく音、小川の音…


もしかすると、エンジンバイクだったら、自分の生活圏にある自然に目を向けなかったかも知れない。

確かに、オートバイに乗れば今までとは違った視点で世界を見ることになり、気づかなかったものが意識に入るようになる。それは車では速すぎて見過ごしてしまうもので、モーターサイクルならではの”気付き”だ。

でも、その気付きも万能ではなかった。

電動バイクという、静粛性に優れて長距離を移動できない乗り物に乗ると、エンジンバイクとはまた違った世界があることに気付かされるのだ。

私は電動バイクに乗ることで、さらに身近で小さな自然に目を向けることになる。



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週末は森にいます