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エンジンは高度なロボットそのものである


 

エンジンはロボットと言われて、ピンと来るだろうか?

多くの人が思い浮かべる”ロボット”とは、人型のようなもので、自在に動く手や足、または人間とコミュニケーションをするためのディスプレイがあるものを想像する。

しかし、エンジンにはそのような見た目をしていない。手や足といったものはないし、ましては会話なんてものもできない。しかし、エンジンはロボットなのだ。

高度にコンピュータ制御された自律型ロボット

現代のエンジンは、その制御にECUと呼ばれるコンピュータの存在が欠かせない。ECUはエンジンの頭脳であり、これなくして排ガス規制を達成することはできないし、豊かなトルクパワーを出すことも叶わない。

エンジンには膨大なセンサーが張り巡らされており、それはさながら人間の神経ネットワークのようだ。それを、人間の脳のようなECUで統合管理している。

エンジンが稼働中は、ECUによって各種センサーから送られてくるたくさんの電気信号を処理して、その瞬間で最適な制御を行っている。それは人間が自律的に体温や呼吸調整をしている”ホメオスタシス”のようなものだ。

燃料となるガソリン(&軽油・水素)は、エンジンにとっての栄養である。エンジンオイルは人間で言うところのリンパ腺、もしくは血液と捉えることができる。

このようにして見ると、エンジンは高度なロボットであると言えるのだ。

唯一、エンジンと人間が会話することができる方法がある。それは、アクセルペダル(スロットルグリップ)だ。人間がアクセルペダルを通して、エンジンとコミュニケーションを取ることができる。エンジンはパワーの出力と振動で、人間の”感性”へ語りかけてくれるのだ。

実はエンジンと多くの会話をしている人々が存在する。それが”バイク乗り”だ。

彼らは、車とドライバーという関係以上に、エンジンと会話をしているし、楽しんでいる。冬になればエンジンに手を触れて、”肌を通した”コミュニケーションを取っているくらいだ。エンジンは暖かい。”温かい”という表現が似合うかも知れない。

ライダーの五感全てを使ってコミュニケーションを求めてくるエンジンロボット。

今日は機嫌が悪い、新鮮なガソリンで機嫌が良い、あのエンジンは振動ではなく「鼓動感」…といったように、どこか人間っぽさを感じさせるのがオートバイのエンジンだ。

こういった情緒的な側面は、電動化で失われてしまうのだろうか?

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