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オキシライド乾電池、エナジャイザー乾電池が販売中止になった理由は”電圧の高さ”



電池としてのポテンシャルの高さが、裏目に出た稀な例

オキシライド乾電池は松下電器産業(現:パナソニック)が2004年4月1日に発売した乾電池で、発売当時は「従来の乾電池に比べてハイパワー」という触れ込みでした。

ところが、わずか5年後の2009年に生産が終了し、エボルタ乾電池に移行しました。

オキシライド乾電池はどんな乾電池だったのか?

簡単に言うと、長寿命、高電圧の電池でした。公称1.5Vの乾電池でしたが、実際に測定すると1.7V以上の電圧が出ていることもよくありました。開放電圧は1.8Vもあるという話です。

この年代のデジカメは専用バッテリーを使用せずに乾電池で動くものも多く、しかも省電力技術がまだまだだったので(一日で電池交換は当たり前、フラッシュを使えば半日程度しかもたない)、デジカメユーザーからはこれらの次世代型乾電池の登場は喜ばれました。

生産中止の経緯

一般的には、後継としてリリースされた、今でも現存するエボルタ乾電池ができたから、オキシライド乾電池はその座を譲った…とされていますが、実際は違います。

上で触れたとおり電圧を測定すると1.7V以上の電圧が出ることが多かったオキシライド乾電池は、掛け時計といった、乾電池1本で使う製品であれば電圧差は0.2Vと少なく、多少の電圧変動は問題ありませんでしたが、デジカメなど複数本の乾電池を使うものだと、その分だけ電圧差が大きくなっていきます。

例えば、従来のアルカリ乾電池4本ならちょうど6Vですが、オキシライド乾電池だと6.8Vにもなります。下手をすると7Vを超える場合もあり、乾電池を使う機器の大半は小型機器で、過電圧対策もあまりされていませんから、当時のデジカメ等の回路を破壊、故障に至っていた事案がありました。

オキシライド乾電池やエナジャイザー乾電池は、従来の乾電池にはない「高いパフォーマンス」を備えていましたが、それが裏目に出た結果となってしまいました。

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